ふるさと納税還元率低下で勝浦市が窮地!人気「銀鮭切り身」返礼品喪失が原因か?近隣市への生産移転も
2025-06-01
読売新聞
千葉県勝浦市が、ふるさと納税の寄付金収入の大幅減に直面しています。昨年度の寄付金総額は、前年度比で約3分の1に激減し、16億6588万円となりました。照川由美子市長が定例記者会見でこの状況を公表し、その原因として、人気の返礼品であった「銀鮭切り身」を失ったことが浮上しています。
勝浦市はこれまで、お得感のある海産物を返礼品として提供し、高い人気を博してきました。2021年度は約23億5600万円、2022年度は約55億3400万円と2倍以上の伸びを見せるなど、目覚ましい成果を上げていました。2023年度も51億4538万円を記録し、県内トップの寄付金を集める状況が続いていました。
しかし、2024年度に入り状況は一変。人気の「銀鮭切り身」の供給が途絶えたことが、寄付金激減の大きな要因と考えられています。この影響で、返礼品としての魅力が低下し、寄付者の減少につながったと見られています。
さらに深刻なのは、業者による生産ラインが近隣市に移転している点です。勝浦市で生産されていた銀鮭が、他の地域で加工・販売されるようになり、勝浦市経済への影響が懸念されています。この状況を打開するため、勝浦市は新たな返礼品開発や、地域資源を活かした魅力的な施策を検討する必要に迫られています。
ふるさと納税は、地方自治体の財源を補填し、地域活性化に貢献する重要な制度です。勝浦市の現状は、返礼品の魅力が寄付金収入に与える影響を改めて浮き彫りにしています。今後は、持続可能な返礼品供給体制の構築と、地域ならではの魅力を最大限に引き出す施策が求められます。
勝浦市がこの危機を乗り越え、再びふるさと納税のトップランナーとなるためには、地域住民、業者、行政が一体となって、新たな戦略を打ち出す必要があります。地域経済の再生と、勝浦市ならではの魅力を再発見するための取り組みが、今、求められています。