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イラン、ウラン濃縮度60%を地下核施設に保管か? 米軍の攻撃は免れた施設の現状と今後の懸念

2025-06-29
イラン、ウラン濃縮度60%を地下核施設に保管か? 米軍の攻撃は免れた施設の現状と今後の懸念
読売新聞

国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長が、イランのウラン濃縮活動再開の可能性に言及し、国際社会に緊張が走っています。特に注目すべきは、イランが保有する濃縮ウランの保管場所です。CBSのインタビューでグロッシ事務局長は、イランの核施設が「深刻な損害を受けたものの、完全に破壊されたわけではない」と述べ、一部の濃縮ウランがイスファハンの地下核施設に60%の濃縮度で保管されている可能性を示唆しました。

イスファハンの地下核施設とは?

イスファハンは、イランの核開発において重要な役割を果たしてきた都市です。特に、この地下核施設は、米軍による攻撃から守られるように設計されており、高度なセキュリティ対策が施されています。しかし、グロッシ事務局長の証言は、この施設も攻撃を受けた可能性を示唆しており、その安全性に対する懸念が高まっています。

ウラン濃縮度60%とは?

ウラン濃縮度は、核兵器開発と原子力発電の両方に利用されるウランの原子核分裂を起こしやすくする度合いを示します。天然ウランは約0.7%の濃縮度ですが、原子力発電では3~5%程度に濃縮されます。一方、核兵器開発には90%以上の濃縮が必要です。イランがウランを60%まで濃縮していることは、核兵器開発に近づいていると見なされる可能性があります。

米軍のバンカーバスター弾は使用されなかった?

米軍がイランの核施設に対して攻撃を行った場合、巨大な威力を持つバンカーバスター弾が使用される可能性が指摘されていました。しかし、グロッシ事務局長は、米軍がバンカーバスター弾を使用しなかったことを示唆しています。これは、イランの核施設が地下深く、堅牢な構造をしているため、バンカーバスター弾のような強力な兵器を用いても完全に破壊することが困難であるためと考えられます。

今後の懸念と国際社会の対応

イランのウラン濃縮活動再開の可能性と、高濃縮ウランの保有は、国際社会にとって深刻な懸念事項です。イランの核開発は、地域の安定を脅かすだけでなく、国際的な核不拡散体制を揺るがす可能性があります。国際社会は、イランに対して核開発を停止するよう強く求めるとともに、外交的な解決策を模索する必要があります。

IAEAは、イランの核施設に対する査察を継続し、ウラン濃縮活動の状況を監視していく方針です。しかし、イランが査察への協力を拒否した場合、国際的な緊張はさらに高まる可能性があります。

今回の事態は、中東地域の情勢をさらに不安定化させる要因となりかねません。国際社会は、イランとの対話を継続し、事態の悪化を防ぐための努力を続ける必要があります。

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