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九州新幹線、高架上で“すげぇ行列”…豪雨の中の避難劇、6年前の北陸新幹線水没事故が教訓に

2025-08-13

熊本県に大雨特別警報が発表された11日、複数の九州新幹線が、高架線上でずらりと並んで待機している様子を捉えた写真がSNSで拡散され、大きな注目を集めています。まるで“すげぇ行列”を思わせるその光景の裏には、6年前の北陸新幹線水没事故から得た痛ましい教訓がありました。

写真に写っていたのは、旅行中の男性会社員(30代)がJR熊本駅で撮影したもの。豪雨による線路被害が相次ぐ中、新幹線が通常運行を停止し、高架線上で待機するという異様な光景が広がっていました。

6年前の北陸新幹線水没事故、未曾有の事態

この避難措置は、6年前の台風19号による豪雨で、北陸新幹線が千曲川の氾濫によって水没した未曾有の事態を深く反省し、その教訓を生かして策定された「未明の避難作戦」によるものです。2019年10月13日、長野市では千曲川の堤防が決壊し、北陸新幹線の車両が水没。甚大な被害をもたらしました。

千曲川の堤防が決壊し、水没した北陸新幹線の車両
朝日新聞
千曲川の堤防が決壊し、水没した北陸新幹線の車両。2019年10月13日午前8時12分、長野市、朝日新聞社ヘリから、遠藤真梨撮影

「未明の避難作戦」とは?

今回の九州新幹線の高架線での待機は、まさにその教訓を活かしたもので、大雨による河川の氾濫や土砂災害の危険性が高まった際に、新幹線を安全な場所へ移動させるための緊急避難計画です。早朝に実行されることから「未明の避難作戦」と呼ばれています。

今回の熊本県での実行は、想定されるリスクに備え、安全を最優先とした迅速な対応だったと言えるでしょう。しかし、この光景は、気候変動による異常気象が激甚化する現代社会において、私たちのインフラを守るための対策の重要性を改めて認識させられます。

今後の教訓と対策

今回の九州新幹線の避難劇は、6年前の北陸新幹線水没事故の教訓を活かした迅速な対応でしたが、同時に、今後の気候変動対策の重要性を示唆しています。より強靭なインフラの整備、早期警報システムの強化、そして地域住民への防災意識の啓発など、あらゆる対策を講じることが求められます。

そして、私たち一人ひとりも、日頃から防災意識を高め、避難経路の確認や非常用持ち出し袋の準備など、自分自身でできることを実践していくことが大切です。

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