後継者不足の中小企業が狙われる!悪質M&Aで資金搾取被害相次ぐ実態
2025-03-08
読売新聞
後継者不足の中小企業が狙われる!悪質M&Aの裏側で資金搾取被害が多発
後継者問題に悩む中小企業が増加する中、悪質なM&A(合併・買収)を装った資金搾取の手口が横行している。東京都千代田区に拠点を置く投資会社「ルシアンホールディングス」を巡るトラブルが相次ぎ、多くの企業が多大な損害を被っている。警察当局も情報収集を進める中、中小企業の経営者が陥る「うのみ」のケースとは。
コロナ禍で経営悪化、後継者不在がターゲットに
大阪府内のある電子機器メーカーは、電光掲示板などの製作を手がけ、ピーク時には約1億円の売り上げを誇った。しかし、コロナ禍の影響で業績が悪化し、後継者不足という問題も抱えていた。そんな状況下で、ルシアンホールディングスからM&Aを持ちかけられ、事業承継と資金援助を期待して契約に至った。
悪質M&Aのカラクリ:預金騙し、連絡絶つ…
しかし、契約後、ルシアンホールディングスは「運転資金」や「債務引受手数料」として多額の費用を要求。企業側が預金などを振り込んだ直後から連絡が途絶え、事実上、資金を搾取されたという。同様のケースは40社近くに及び、被害総額は数百万円に上ると見られている。
中小企業の悲痛な叫び:「後悔先に立たず」
「後継者問題の解決策としてM&Aを検討したのが運の尽きだった」「安易に契約してしまったことを後悔している」…経営者たちの悲痛な叫びが聞こえてくる。専門家は「M&Aは企業の存続を左右する重要な決断。安易な誘いに乗らず、必ず弁護士や会計士などの専門家に相談すべきだ」と警鐘を鳴らしている。
悪質M&Aから身を守るために
- 契約内容の精査: 契約書を隅々まで確認し、不明な点があれば必ず質問する。
- 専門家への相談: M&Aに関する専門家(弁護士、会計士など)に相談し、客観的なアドバイスを受ける。
- 相手の調査: 投資会社の信頼性を事前に調査する。
- 安易な誘いに注意: 甘い言葉や高すぎる評価には警戒する。
まとめ:中小企業のM&Aは慎重に
後継者不足に悩む中小企業にとって、M&Aは有効な手段となりうる。しかし、悪質なM&Aに巻き込まれないよう、十分な注意と準備が必要だ。専門家への相談や契約内容の精査を徹底し、自社の利益を守るための行動をとりましょう。