若者の食生活改善とウェルビーイング向上に鍵! 東北大と花王が脳科学的に解明した「前頭極と個別化フィードバック」の重要性

若者の健康を支える新たなアプローチ:脳科学と行動変容の融合
健康意識の高まりとともに、若者の食生活改善とウェルビーイング向上のための効果的な方法が求められています。東北大学と花王の研究チームは、脳科学に基づいたアプローチで、その鍵となる脳の仕組みを解明しました。本研究は、食習慣の改善とウェルビーイングの向上に、前頭極と個別化フィードバックが深く関わっていることを示唆しています。
研究の概要:大学生を対象とした実験
平均年齢21歳の健康な大学生約50名を対象に、食事日記の継続的な記録と、そのフィードバックを得るという実験を実施しました。この実験を通して、参加者の栄養摂取状況の変化と、ウェルビーイングの変化を詳細に分析しました。
主な発見:前頭極の活性化と個別化フィードバックの効果
実験の結果、食事日記を継続的に記録し、個別化されたフィードバックを得ることで、参加者の栄養摂取が改善されるだけでなく、ウェルビーイングの向上が確認されました。特に、脳の前頭極(意図的な行動の制御や意思決定に関わる領域)の活動が活発になることが、食習慣の改善とウェルビーイング向上に重要な役割を果たしていることが明らかになりました。
個別化フィードバックの重要性
単に食事日記を記録するだけでなく、個々の参加者に対して、その記録に基づいた個別化されたフィードバックを提供することが、効果を高める上で不可欠であることが示唆されました。このフィードバックは、栄養摂取の改善点や、より健康的な食生活を送るための具体的なアドバイスを含んでいます。
今後の展望:健康増進への応用
本研究の成果は、若者の健康増進に向けた新たなアプローチとして期待されます。具体的には、個人の食習慣や行動特性に合わせて、脳科学に基づいた個別化された介入プログラムを開発することで、より効果的な食生活改善とウェルビーイング向上を支援できる可能性があります。また、企業や教育機関と連携し、より多くの若者が健康的な生活を送れるよう、普及活動を推進していくことが重要です。
注1:前頭極:脳の前部に位置し、計画、意思決定、衝動の抑制など、高次な認知機能に関わる領域です。