【東日本大震災から13年】津波被害を受けた融資返済問題、現状と今後の見通し - いわき信用組合の取り組み

2025-05-30

朝日新聞デジタル

東日本大震災から13年、津波被害を受けた融資返済問題の現状

2011年3月11日に発生した東日本大震災から13年が経過しました。被災地では復興が進む一方で、依然として多くの課題が残されています。その中でも、津波被害を受けた中小企業や個人事業主が抱える融資返済問題は深刻です。

「街の便利な金融機関」として信頼を得てきたいわき信用組合

福島県いわき市に本店を置くいわき信用組合（いわ信）は、中小企業や個人事業主に対して少額の融資を積極的に行い、「街の便利な金融機関」として地域住民からの厚い信頼を得てきました。担当者は、取引先の事業所や預金者の自宅を頻繁に訪問し、きめ細やかなサポートを提供することで、地域経済の発展に大きく貢献してきました。

津波被害による影響と融資返済への不安

しかし、東日本大震災による津波被害は、いわき市を含む沿岸地域に壊滅的な打撃を与えました。多くの事業所が損壊し、操業を停止せざるを得ない状況に陥り、融資の返済が困難になるケースが続出しました。「融資の返済はどのようになるのか？」「事業を再開できるのか？」被災者たちは、将来への不安を抱えながら、日々の生活に苦しんでいます。

いわき信用組合の支援策と今後の課題

そのような状況を受け、いわき信用組合は、被災者への融資返済猶予や新規融資の提供など、様々な支援策を講じてきました。また、国の支援制度を活用し、被災者の事業再建を支援しています。しかし、震災から13年が経過した現在、猶予期間が終了し、返済を迫られる被災者が増えています。事業再建が遅れている場合、返済困難に陥る可能性も高く、依然として深刻な問題となっています。

今後の展望と地域経済の再生に向けて

被災地の融資返済問題は、地域経済の再生を阻む大きな要因の一つです。いわき信用組合をはじめとする金融機関は、被災者の状況を的確に把握し、個別の事情に応じた柔軟な対応が求められます。また、国や地方自治体も、被災者への経済的な支援を継続し、事業再建に向けた環境整備を進める必要があります。地域社会全体で協力し、被災者の生活再建と地域経済の再生を目指していくことが重要です。東日本大震災から13年。私たちは、被災地が一日も早く活気を取り戻せるよう、支援を続けていく必要があります。