信楽高原鉄道事故から34年:現場での厳粛な追悼と安全運行への誓い - 滋賀県甲賀市
2025-05-14
毎日新聞
滋賀県甲賀市(旧信楽町)で1991年に発生した信楽高原鉄道(SKR)とJR西日本の列車正面衝突事故から34年となる14日、事故現場にて追悼法要が執り行われました。この痛ましい事故では、42名もの尊い命が失われ、600名以上もの負傷者が発生しました。
法要には、遺族や鉄道関係者ら計21名が参列し、犠牲者の方々の冥福を祈り、そして二度とこのような悲劇が繰り返されないよう、安全運行を心より誓いました。事故現場に建てられた慰霊碑の前では、42本のろうそくに灯がともされ、静寂と哀悼の意を表しました。
この事故で、当時、父と2歳の息子を亡くされた中島三木男さんは、献花台に花を手向けられ、深い悲しみと悔しさを静かに語りました。「今でも事故の記憶は鮮明です。鉄道の安全対策がもっと早く進めば、このような事故は避けられたかもしれません。」と胸の内を明かしました。
事故後、信楽高原鉄道をはじめとする鉄道業界では、安全対策の強化が急務となりました。信号システムの改善、運転士の訓練強化、車両の安全性能向上など、様々な取り組みが進められています。しかし、過去の教訓を忘れず、常に安全を最優先に考え、改善を続ける姿勢が不可欠です。
今回の追悼法要は、犠牲者の方々を追悼するだけでなく、鉄道の安全に対する意識を高め、再発防止に向けた決意を新たにする機会となりました。私たちは、過去の悲劇を未来に繋がらず、安全で安心して利用できる鉄道を維持していくために、関係者一同、努力を重ねていくことを誓います。
今後も、鉄道業界全体で安全意識を高め、事故防止に努めていくことが求められます。そして、犠牲者の方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様に心からお見舞い申し上げます。