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日鉄、米鉄鋼大手USスチール買収に暗雲? トランプ氏が完全子会社化を認めない可能性を示唆

2025-05-26
日鉄、米鉄鋼大手USスチール買収に暗雲? トランプ氏が完全子会社化を認めない可能性を示唆
読売新聞

日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画に、思わぬ波紋が広がっています。2月25日、ワシントンで記者団の取材に応じたトランプ大統領は、この買収に関して、完全子会社化を認めない可能性をほのめかしたのです。

「これは投資であり、(日鉄の)部分的な所有となるが、米国が支配することになる」と述べたトランプ大統領は、具体的な株式取得比率などの詳細には触れませんでした。しかし、その発言は、日鉄がUSスチールを完全に傘下にすることへの懸念を示唆していると受け止められています。

今回の買収は、日本製鉄にとって、北米市場でのプレゼンスを強化するための重要な一歩です。USスチールの技術力や生産能力を獲得することで、自動車産業をはじめとする幅広い分野での競争力を高めることが期待されています。しかし、トランプ大統領の発言は、この計画に大きな障害となる可能性があります。

トランプ大統領は、これまでも「アメリカ・ファースト」を掲げ、国内産業の保護を重視する姿勢を明確にしてきました。今回のUSスチールの買収においても、米国の雇用を守り、国内鉄鋼産業の競争力を維持することを最優先に考えていると考えられます。

「米国が支配する構造でなければ、私は取引をしない」と語ったトランプ大統領の言葉は、日鉄がUSスチールを買収するにあたり、米政府の承認を得るためには、USスチールが米国の支配下にあることを明確に示す必要があることを意味しています。

具体的には、日鉄がUSスチールの株式を過半数取得することを避け、米国の投資ファンドや企業がUSスチールの株式の一部を保有することで、米国の影響力を維持するなどの方法が考えられます。しかし、そのような枠組みが、日鉄の当初の計画に合致するかどうかは不明です。

今回のトランプ大統領の発言は、日鉄にとって、USスチールの買収を成功させるための戦略を再検討する必要があることを示唆しています。米政府との交渉を通じて、USスチールが米国の支配下にあることを明確に示すとともに、日鉄の経営戦略との整合性を確保することが、今後の課題となるでしょう。

今後の日鉄とUSスチールの関係、そして米国の鉄鋼産業に、どのような影響が及ぶのか、注目が集まります。

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