福島県いわき信組への改善命令、金融相が厳しく検証へ - 不正融資と隠蔽の実態
2025-05-30

日本経済新聞
福島県いわき信用組合(いわき信組)への改善命令、金融相が厳しく検証
加藤勝信金融相は、30日の閣議後記者会見において、いわき信用組合に対する業務改善命令について言及し、「改善に向けた取り組みを厳しく確認、検証していきたい」と述べました。これは、いわき信組が預金者に無断で開設した口座を介した不正な迂回融資を長期間にわたり隠蔽していた問題を受けてのものです。
不正融資と隠蔽の実態
いわき信組は、預金者の同意なく口座を開設し、その口座を利用して不正な融資を行っていました。さらに、この不正行為を長期間にわたって隠蔽しており、金融システムの信頼を大きく損なう事態となりました。金融庁は29日にいわき信組に対し、業務改善命令を下しました。
第三者委員会の調査報告と引責辞任
問題の究明と再発防止策の策定のため、いわき信組は第三者委員会を設置しました。この委員会は30日に調査報告を発表し、問題の全容と今後の対応について明らかにすることになります。また、本多洋八理事長は、今回の問題に対する責任を認め、引責辞任する意向を示しています。
今後の展望と金融業界への影響
今回のいわき信組の問題は、地域金融機関における内部統制の不備を浮き彫りにしました。金融庁は、同様の問題が他の金融機関でも発生しないよう、監督体制の強化を図る方針です。また、今回の事件を教訓に、金融業界全体でコンプライアンス意識の向上とリスク管理体制の強化が求められています。
金融相の厳しい姿勢
加藤金融相は、今回の問題に対して非常に厳しい姿勢を示しており、改善に向けた取り組みを厳しく検証していくことを強調しました。これは、金融システムの信頼回復と再発防止のためには、断固とした対応が必要であることを示唆しています。